「ドキュメンタリードリームショー2010」公式サイト - 特集上映・ＡＮＤファンド受賞作

Sona, the Other Myself

40年前、「地上の楽園」と言われた北朝鮮へ３人の兄が旅だった。残された妹ヨンヒは6歳だった。家族訪問を重ねながら、姪のソナをはじめ兄たちの暮らしをホームビデオで撮り続けた記録。『ディア・ピョンヤン』に続き、ベルリン国際映画祭ほか世界でひとあし早く絶賛された、ヤン・ヨンヒ新作の日本初上映。会場に監督を迎え、話を聞く。

Invisible City

都市の風景と暮らしが急速に変貌する中、健忘症におびえるかのようにシンガポールという町を記録しようとする人たち。はかない記憶とわずかな遺物に頼る歴史のもろさを『シンガポール・ガガ』の女性監督が映像エッセイに編みあげる。シンガポールの一般公開で目を見張る成果をあげた知的ドキュメンタリーの日本初上映。

Yasukuni

Ａ級戦犯や台湾や朝鮮半島から徴兵された軍属も合祀していることを巡り論争となった靖国神社を中国人監督が撮る。終戦記念日に集う人々の喧騒。靖国で軍刀を作っていた最後の刀鍛冶職人の沈黙。2008年の一般公開時、社会問題化した騒動が記憶に新しい映画。2006年のＡＮＤファンドでは「コダック賞」とのダブル受賞をし、アーカイブ映像を購入する資金が得られた。監督来場予定。

Hope Dies Last in War

第三次インド・パキスタン戦争から30数年たち、未だ安否不明の空軍兵士たち。戦争捕虜の存在を否定する両国政府に対し、写真を胸に送還を求め続けながら残された家族は老いていく。政治の陰で打ち捨てられた人々の、誰も描かなかった物語。監督はその後も活躍を続け、新作短編がベルリン国際映画祭他で受賞。上映後トークあり。

LINE

2010年のＡＮＤファンドを受賞したばかりの小谷忠典さんを迎え、旧作『ＬＩＮＥ』を上映。受賞企画を持って参加した今年のプサン映画祭から帰国直後の最新情報と体験談を聞く。『ＬＩＮＥ』は沖縄出身者の多い大阪市大正区で育った監督が、コザ吉原で娼婦たちを撮影することを経て、父親や恋人の子どもとの家族関係を結び直すまでの「眼差し」の映画。

Bingai

三峡ダム建設による国家の移転計画に、ひとりの平凡な女性がひとり抵抗する。子どもを育て、農業を営み、大地に根ざした生活を貫く彼女の生きざまに7年間寄り添った馮艶監督のカメラに愛が映る。山形映画祭の小川紳介賞をはじめ、世界の国際映画祭で絶賛された秀作、現在編集中の続編が待ち望まれる。

Mental

岡山市にある精神科診療所「こらーる岡山」。山本医師のもとに様々な患者たちがやって来る。診療室や待合室で彼らの言葉と表情を見つめ、スタッフの苦労と合わせて淡々と映し出す。『選挙』に続き、新作『ＰＥＡＣＥ』を控える「観察映画」シリーズのドキュメンタリー映画。プサン、ドバイ、香港国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞したほか、世界各地で評判となった。