懐かしい風景。愛すべき人たち。
すべての 消えゆくもののために。
蒸気機関車と炭鉱の町、ジャライノール。
満州、ロシアそして中国。歴史の波に翻弄されつづけた最果ての地で出会った、老機関士と若者。ふたつの魂が触れあい、響きあう―
ロシアと国境を接する内モンゴル自治区、ジャライノール炭鉱。ここでは、古びた蒸気機関車が未だにひっきりなしに動いている。そこで働く年老いた機関士ジュー・ヨウシアンと、年の離れた後輩リー・ジーチョンは仕事の間も、後もいつも一緒だ。そんなある日、ジューが30年働いた炭鉱を去り、娘夫婦のもとに行くことになった。ジューを追って旅に出るリー。老いた魂と若き魂が引きつけあい、また離れる。ふたつの心はどこに向かうのか−−。
蒸気機関車最後の聖地で
人と大地が出会い、そして別れがやってくる
世界の映画祭で圧倒的な支持を得た、中国の新たな才能!
監督は本作が長編映画第二作目となる新鋭・チャオ・イエ。北京電影学院アニメーション科出身という特異な経歴ながら、蒸気機関車・最後の聖地と言われるジャライノールの美しく広大な風景の中に、細やかな人間の機微を描き出す。その手腕は、映画監督・河瀬直美の目にとまり、そのプロデュースのもと、奈良を舞台にした『光男の栗』(桃井かおり主演)を完成させ、なら国際映画祭で上映、絶賛された。