ストーリー Story

1969

アイス ICE

近未来、若き革命家たち――革命組織全国委員会のメンバーが潜伏状態から抜け出すためにゲリラ活動を開始する。

1その頃メキシコでは解放戦線がアメリカ政府相手に抗争を続けている。目標は白人の革命家たちが黒人、プエルトリコ人、メキシコ人と同盟することだが、同じように搾取された犠牲者たちでありながら、彼らは互いを理解し合うことができない。

委員会のリーダーは革命家たちは自らの自信のなさや疑い、恐怖に直面しなければならないことに気づく。そして革命的な攻撃活動が勃発。
さまざまな行動がエスカレートしていく――
体制批判の新聞が発刊される。
陸軍の大佐が暗殺される。製油所が爆破される。
刑務所やラジオ・テレビの放送局が襲撃される。

――警察がグループのリーダーを抹殺し、ジムという名の人物が後を継ぐ。
彼は電話で同志のひとりに指令を出す。次なる決定的な闘いが始まると・・・

69年のヴェトナム戦争が泥沼化する時代状況を鮮烈なフィクションとして描いた。

1969年|アメリカ|英語|モノクロ|132分|16mm

製作
モニュメント・フィルム(デヴィッド・C・ストーン)、アメリカン・フィルム・インステュート、ニューズリール
監督
ロバート・クレイマー
撮影
ロバート・マコーヴァー
編集
ロバート・マコーヴァー、ノーマン・フラクター
録音
ノーマン・フラクター
出演
トム・グリフィン、ポール・マクアイザック、ロバート・クレイマー、ハワード=ローブ・ハブーフ、ブレッド・アンド・パペット、ダン・タルボット、デヴィッド・C・ストーン、バーバラ・ストーン、ジョナス・メカスほか

1975

マイルストーンズ MILESTONES

ひとつの時代が終わり、そこに新しい誕生の可能性が示唆される、“運動”の世代の自画像。

50人を超える登場人物からなる6つの物語が互いに干渉を繰り返しつつ巨大なモザイクを作り出す。
背景に広がるのは「ユタの雪を被った山々から、自然がモニュメント・ヴァレーに作り出した彫刻まで、ホピ・インディアンの洞窟からニューヨーク・シティの汚れと埃まで」の壮大なキャンヴァス。

アメリカの左翼ラディカルの生き残りたちの生活と生きざまが、政治的にも個人としても変化に直面した人々の社会の質感の中に入り込み、複雑にからみ合う、1970年代を代表する傑作。

ロバート・クレイマー後期の代表作「ルート1/USA」は『マイルストーンズ』の続編とみなされている。

「『マイルストーンズ』は火=空気=土=人間だ。それは70年代のアメリカを見つめると同時に、過去へ、そして未来へと旅する。これは再び誕生することについての映画だ―思想が、顔が、映像が、そして音が再び誕生することについての映画である。」――ロバート・クレイマー、ジョン・ダグラス
(トリノ映画祭’97 カタログより転載)

1975年|アメリカ|英語|カラー|206分|16mm

製作
バーバラ・ストーン、デヴィッド・C・ストーン、ニューヨーク・シネマ
監督・脚本・撮影・編集
ロバート・クレイマー
共同監督
ジョン・ダグラス
照明
フィリップ・スピネッリ
録音
ジェーン・シュウォーツ、フィリップ・スピネッリ
記録・整音
マリリン・マルフォード
出演
G・W・アボット、アンバー・アン、ローレル・バーガー、ノア・バーガー、デヴィッド・バーンスタイン、ボビー・ビークラー、カーター・キャンプ、メリー・チャペル、ポーラ・チャペル、エリザベス・ディア、ジョン・ダグラス、エリカ・クレイマーほか

1989

ルート1/USA Route One / USA

10年振りに故郷アメリカに戻った主人公がカナダからフロリダに至るハイウェイ、ルート1を辿るロードムービー。

アメリカに戻ったロバート・クレイマーは、ポール・マクアイザック演じるドクという主人公と共にフィクションともドキュメンタリーともつかない、現代アメリカの様相を鋭く切り取る。

旅の同行者となった観客は、登場するいくつもの顔をいつまでも覚えているに違いない。ロバート・クレイマーの最高傑作と評される一作。

1989年|フランス|英語|カラー|255分|35mm

監督・撮影・編集
ロバート・クレイマー
音楽
バール・フィリップス
出演
ポール・マクアイザック