1その頃メキシコでは解放戦線がアメリカ政府相手に抗争を続けている。目標は白人の革命家たちが黒人、プエルトリコ人、メキシコ人と同盟することだが、同じように搾取された犠牲者たちでありながら、彼らは互いを理解し合うことができない。
委員会のリーダーは革命家たちは自らの自信のなさや疑い、恐怖に直面しなければならないことに気づく。そして革命的な攻撃活動が勃発。
さまざまな行動がエスカレートしていく――
体制批判の新聞が発刊される。
陸軍の大佐が暗殺される。製油所が爆破される。
刑務所やラジオ・テレビの放送局が襲撃される。
――警察がグループのリーダーを抹殺し、ジムという名の人物が後を継ぐ。
彼は電話で同志のひとりに指令を出す。次なる決定的な闘いが始まると・・・
69年のヴェトナム戦争が泥沼化する時代状況を鮮烈なフィクションとして描いた。
1969年|アメリカ|英語|モノクロ|132分|16mm
50人を超える登場人物からなる6つの物語が互いに干渉を繰り返しつつ巨大なモザイクを作り出す。
背景に広がるのは「ユタの雪を被った山々から、自然がモニュメント・ヴァレーに作り出した彫刻まで、ホピ・インディアンの洞窟からニューヨーク・シティの汚れと埃まで」の壮大なキャンヴァス。
アメリカの左翼ラディカルの生き残りたちの生活と生きざまが、政治的にも個人としても変化に直面した人々の社会の質感の中に入り込み、複雑にからみ合う、1970年代を代表する傑作。
ロバート・クレイマー後期の代表作「ルート1/USA」は『マイルストーンズ』の続編とみなされている。
「『マイルストーンズ』は火=空気=土=人間だ。それは70年代のアメリカを見つめると同時に、過去へ、そして未来へと旅する。これは再び誕生することについての映画だ―思想が、顔が、映像が、そして音が再び誕生することについての映画である。」――ロバート・クレイマー、ジョン・ダグラス
(トリノ映画祭’97 カタログより転載)
1975年|アメリカ|英語|カラー|206分|16mm
10年振りに故郷アメリカに戻った主人公がカナダからフロリダに至るハイウェイ、ルート1を辿るロードムービー。
アメリカに戻ったロバート・クレイマーは、ポール・マクアイザック演じるドクという主人公と共にフィクションともドキュメンタリーともつかない、現代アメリカの様相を鋭く切り取る。
旅の同行者となった観客は、登場するいくつもの顔をいつまでも覚えているに違いない。ロバート・クレイマーの最高傑作と評される一作。
1989年|フランス|英語|カラー|255分|35mm