『コロッサル・ユース』のシアター・イメージフォーラムにおける映写について、観客の方から疑問やご指摘がありました。直接お送りいただいたメール等に対しては、劇場の方からお返事しましたが、ブログ等においても指摘されているようですので、ここにご説明させていただきます。
●『コロッサル・ユース』のフィルムは特殊な焼き方がされています。
『ヴァンダの部屋』と同じようにビデオのスタンダード・サイズで撮影され、35mmフィルムのヨーロピアン・ヴィスタのサイズ内に収まるよう3:4(1:1.33)の映像が焼き込まれています。
● これを映写する場合、ヨーロピアン・ヴィスタに設定して上映すると、スクリーンの左右が空いた状態(黒味)になってしまいます。この場合スクリーンの左右のカーテンをさらに閉ればよいのですが、スクリーンと映写機は通常のフィルムサイズ(スタンダード、アメリカン・ヴィスタ、ヨーロピアン・ヴィスタ、シネマスコープ)に合うようかなり繊細な調整がされており、現状では、カーテンを画面に合わせて寄せてしまうと画面のかなりの部分をマスキングしなければいけません。つまり、その形で上映すると、左右の映像もいくらかカットされることになってしまいます。
●スタンダード・サイズに設定して上映した場合には、全体の画面が通常のスタンダードより小さくなり、またスクリーンの中央に上下左右に黒味がついたスタンダード・サイズの画面が現れることになります。
●また、スクリーンにおける画面の歪みについては、程度の差はありますが、映写角度や画面比率に起因してどのような映画でも生じ、通常は映写機内での補正、スクリーンをカーテンでマスキングすることによって見た目の歪みを修正します。これは全ての映画館でなされています。
● そこで、当方及び劇場では、監督の同意を得た上で、現在は、左右の映像を犠牲にするより台形の様な歪みが生じても本来の画面を全くトリミングしないように、左右カーテンを開けたそのままの状態で映写するということしています。(他の劇場、またイメージフォーラムでも1階などでは、また異なった映写の方法が考えられます。)