ペドロ・コスタ
Pedro Costa |
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1959年リスボン生まれ。リスボン大学で歴史と文学を専攻。青年時代には、ロックに傾倒し、パンクロックのバンドに参加する。その後、国立映画大学に学び、ジョアン・ポテリョ、ジョルジュ・シルヴァ・メロらの作品に助監督として参加。1984年に短編“Caratas a julia(ジュリアへの手紙) ”を監督。1989年長編劇映画第1作「血」を発表。以後、映画プロデューサー、パウロ・ブランコのもとで“ Casa de Lava(溶岩の家) ”(1994)、「骨」(1997)を監督。ポルトガルを代表する映画監督として世界的に注目される。最新作は映画監督、
ストローブ=ユイレについてのドキュメンタリー“ Daniele Huillet,Jean-Marie Straub Cineastes-Ou Git Votre Sourire Enfoui? (ダニエル・ユイレ/ジャン=マリー・ストローブ 映画作家の微笑みはどこに?)”2003年、秋より、新作に撮入の予定。
■フィルモグラフィ
・1984年 Caratas a julia(ジュリアへの手紙)短編
・1989年 「血」O Sangue
1989年 ヴェネチア国際映画祭出品
1990年 ロッテルダム映画祭出品
・1994年 Casa de Lava(溶岩の家)
1994年 カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品
1994年 テサロニキ映画祭 最優秀芸術貢献賞
1994年 ベルフォール映画祭 最優秀外国映画賞
・1997年 「骨」Ossos
1997年 ヴェネチア国際映画祭出品
・2000年 『ヴァンダの部屋』No Quarto da Vanda
2000年 ロカルノ国際映画祭 青年批評家賞/スペシャルメンション 受賞
2001年 山形国際ドキュメンタリー映画祭 最優秀賞/国際批評家連盟賞 受賞
2002年 フランス文化賞 最優秀外国映画作家 選出
・2001年 Daniele Huillet,Jean-Marie Straub Cineastes-Ou Git Votre Sourire
Enfoui?(ダニエル・ユイレ/ジャン=マリー・ストローブ 映画作家の
微笑みはどこに?)
2001年ヴェネチア国際映画祭出品
■監督のことば
私はいつもフィクションの中にドキュメンタリーがあり、そのまた逆もあると考えている。私に興味があるのは語ることだ。1本の映画は空気ではない、理由がなくてはいけない。
フォンタイーニャス地区に入ると、そこには過ぎ去った物事を思い出させる色や香りがあり、寄り添って生きること、あまりにも暴力的で痛ましく引き離され、あまりにも孤独だが同時に共に生きている、という私の惹かれる人間についてのアイディアがあった。そこには興味深い、相容れない関係の形がある。
(この映画は)ヴァンダのため、私の前に、私のそばに、私の後ろにいた人々のため、とりわけ様々な自分を見せてくれた人々のために撮った。そこには彼らの様々な場所、消え去ってしまう人生がある。ヴァンダにはあの年は2度と来ないし、あの生活が常にある訳ではない。