ユーセフ・シャヒーン監督作品

1986年5月　新宿東映ホール1にて公開
（アイディとの共同配給）

世界的に有名な名匠ユ−セフ・シャヒ−ン監督の国際的評価を確立させた、彼の自伝的作品。舞台は1942年、アレキサンドリア。ハリウッド・ミュージカルやシェイクスピアの戯曲への憧憬を押さえきれないヤヒヤは海外で勉強することを夢見ている青年。しかしそんな彼にも大戦の砲火は容赦なく迫り、煩悶するヤヒヤに戦時下のアレクサンドルを闊歩する連合国軍兵士やナショナリストや武器商人など有象無象の人間模様が交錯する。夢を断念する寸前、アメリカから一通の手紙が届き……。戦争という未曽有の混乱の中に身を埋めることなく、ついには時代をも抜き去ってしまうエジプト青年の情熱の物語。

1984年10月国際交流基金アフリカ映画祭で上映。
1986年5月新宿東映ホール2にて公開
（アイディとの共同配給）

12年前に町を飛び出した主人公アリは志をくじかれ戻ってくる。一方彼の居ない間、兄トルバが大工場を経営し、家族や町の人々に対し暴政をふるっていた。アリを信じ待ち続けた恋人ファトマをはじめ、父、母、町の人はアリの帰還を解放者の到来のように大歓迎するのだが、アリにはもはや情熱の色はない。周囲の期待を裏切り、兄の元で従順に働くようになるアリ。しかし、ある事件をきっかけに……。現代のエジプトのある一家族の崩壊と、希望を持って町を去っていく若き恋人たちとを対比して描き、そこにダイナミックな歌と踊りをふんだんに取り入れて大胆に映像化したミュージカル・トラジディー。