10.10(金)

連続銀行強盗、カンフーおたく、ゲイの伝道師、ドイツ人テロリスト。幼少期の恐れに呑み込まれ、いつの間にか極端な深淵を歩いてきた男たちのモノローグ。まったく違う半生ながらもストーリーテリングの妙がめくるめく変奏を生み、幕間のギリシャ人形悲劇と奇妙な楽曲を奏でる。『非現実の王国で　ヘンリー・ダーガーの謎』の監督によるスリリングな意欲作。
■ジェシカ・ユー 監督インタビュー

タイの各地を旅して、出会った人々に物語の続きを創作して語ってもらう。マイクを向けられる人々の生活と、彼らによって語られていく「不思議な物体」の物語が交錯し、監督自身も予想できない展開に、作品自体が不思議な物体と化していく。今や1作毎に世界の注目を集めるアピチャッポンの長編第1作。

ベルリン北部の小さな村で2002年、16歳の少年が他の3人の少年に暴行殺害されるという事件が起った。『ブラック・ボックス・ジャーマニー』のファイエル監督が、同事件を実験的な手法で再検証する。登場するふたりの役者が、複数の事件関係者を演じながら、奇妙な緊張感の中に現代ドイツの状況を浮かび上がらせる。