02●ゲット・パブリック
おばあちゃんの唄声が招く、碧いモノクロの光に潜む猫と老人の島。時代の綻びを予感させ、海と風の気配に心惹かれる『過疎の断片たち』。6月に「暴動」の起きた西成をはじめ、野宿者への権力による圧力が絶えない大阪の各公園。2006年の強制撤去を軸に、工夫あふれる楽しい画面作りが日本的な事情へ切り込む『関西公園』。
■『関西公園』監督インタビュー
■『過疎の断片たち』監督インタビュー
9.23(火・祝) 17:10 +トーク(Hex『関西公園』) ポレポレ東中野
9.27(土) 21:40 ポレポレ東中野
9.29(月) 18:40 +トーク(木村拓朗、三好宏明『過疎の断片たち』) ポレポレ東中野
ヴィー老人が僧院にするため50年前に購入した城を、82歳になったいまようやく教会・修道院としてロシア正教が相続することが正式に決まる。準備のためデンマークにやってきた若いロシア人尼僧と価値観の違いなどで衝突を繰り返しながらも、共同で教会作りに取り組み続ける自称恋愛経験なしのヴィー老人の姿を魅力たっぷり描く。
9.20(土) 11:00 ポレポレ東中野
10.3(金) 15:10 ポレポレ東中野
10.16(木) 16:30 アテネ・フランセ文化センター
1980年代から沈泥により急激に陸地化したジャワ・カンポンラウトのスガラアナカン潟。住民は「新しい」人たちを横目に、溺れかかった海を行交うボートに乗り、漁業では食べていけない生活を思案する。変容していく土地、人と風景を目前に、住民たちは積極的に映画作りに関わり、現代社会の抱える環境へのシグナルを灯す。
■ユスラム・フィクリ・アンシャリ(ユフィク) 監督インタビュー
9.24(水)11:00 ポレポレ東中野
9.28(日)16:10 ポレポレ東中野
10.1(水)18:50 ポレポレ東中野
アチェの東グウェンティン村。津波から1年、国連人間居住計画などの資金で自宅再建が始まるも、すべてを取り仕切らなければならない村長は、長老、村人、建設業者、役人、国連職員らに挟まれ奔走する。支援金や物資のやりくりだけでない混沌の中、村長と村の行く末は......。
■アルヨ・ダヌシリ 監督インタビュー
9.23(火・祝) 15:00 ポレポレ東中野
9.29(月) 13:10 ポレポレ東中野
女性服の装飾に使われる金錦を作る老職人。戦争で肉親を失い、材料も入手不可能となった時、戦争の残骸をも優雅に編み込んでいく『ゴールデン・ダンス』。川が孤立させるネパールの辺境に住む人々が和気あいあいと取り組む橋作り。貧しくも人生に奔放な住民たちが橋完成の瞬間に幻想のようなひとときの平穏を送り出す『我ら辺境に生きる』。
■『ゴールデン・ダンス』スタッフインタビュー
■『我ら辺境に生きる』監督インタビュー
9.25(木) 13:00 ポレポレ東中野
10.3(金) 17:10 ポレポレ東中野
取り壊し予定のアパートを占拠し、住み始めた「共同ハウス」の意気揚々としたホームレスの面々。路上で服を売って日銭を稼ぎ、他のホームレスたちへの炊き出しを試みるなど、新しい生活のあり方を模索し人間の尊厳を語り合う。しかし、想いがすれ違い始め、新しいメンバーが入った冬を越し、何かが静かに変わり始める......。
■イ・ヒョンジョン 監督インタビュー
9.24(水) 18:40 ポレポレ東中野
9.29(月) 15:20 ポレポレ東中野
著名な海外大学が集まるドーハ郊外に拡大する巨大な学園都市。この地の様々な変化のスピードと肌触りを15人の女性たちの言葉の断片から綴る『ふるう』。アジア金融危機後破綻に陥った人々の暮らしを、韓国的事情に照らしだす。個人を社会から蒸発させる乾いた空気を、淡々と皮肉るナレーションでゲリラ映像詩に変換した『人はどうやって消されていくか』。
9.25(木) 18:30 ポレポレ東中野
10.1(水) 11:00 ポレポレ東中野
ソウル在住、恋にセクシュアリティに学校に家族に悩むレズビアン高校生3人。それぞれが身の回りで工夫を凝らして撮影してきた映像を監督のひとりと試写する場は、ときに悩み相談室。等身大の自分をさらけ出しながら、自分に、恋人に、家族に、世の中に何か言わせて!と自らカメラを手にして語り、歌いだす、痛快プロジェクト。
■WOM監督インタビュー(イ・ヨン 監督、チョソク・スネ 監督、イ・ヘラン 監督)
9.25(木) 15:30 ポレポレ東中野
9.27(土) 11:00 ポレポレ東中野
カナダのケベック州オダナクに1世紀以上住んでいる、アベナキ族のイヴォンヌ・ムサドクの物語は尽きることがない。彼女の話し相手は、オダナクに育った監督のアラニス。自身先住民作家として30本以上のドキュメンタリーを発表してきた監督は、原点に立ち戻り、育った村を撮りながら、自らの民族の物語を叙情的にうたい上げる。
10.6(月) 19:00 アテネ・フランセ文化センター
王兵の名を映画史上に残した驚愕の9時間。日本占領時から東北部瀋陽にある重工業地帯、鉄西区。いまにも巨大な国営事業が没落し、傾き倒れていく様に立会い、寄り添う映画体験を、「工場」「街」「鉄路」の三部構成で描き出す。ひとりの作者がこれほど壮大なスケールで世界と向き合うとは。
■王兵監督インタビュー
9.30(火) 第1部11:00 第2部15:30 第3部18:55 ポレポレ東中野(※各部入れ替え、別料金)