肘折物語
1992/カラー/16mm/18分/Dir. 小川紳介
雪国
1939/モノクロ/16mm/38分/Dir. 石本統吉
YIDFF公式サイト「雪国」»
北の健兵
1943/モノクロ/35mm/19分/フィルムセンター所蔵/Dir. 井上莞
山形県のフィリピン花嫁を題材に企画、未完に終わった小川紳介のテスト的なフィルム、雪の大蔵村が撮影された『肘折物語』。在日朝鮮人シネアスト井上莞が撮影に関わった、山形県新庄を舞台としたドキュメンタリーの古典『雪国』。製作時以来恐らく東京では初上映の、井上莞演出のダイナミックな軍事演習を描く『北の健兵』を併映。

肘折物語
Hijiori Story
(“Hijiori monogatari”)

日本/1992/日本語/カラー/16mm/18分
監督:小川紳介 撮影:加藤孝信 編集:小川紳介、田村正毅、土本典昭
整音:浅沼幸一 現場録音:栗林昌史 製作:伏屋博雄
製作進行:白石洋子、阿部ひろ子 出演、協力:森繁哉 提供:白石洋子

小川紳介は山形県大蔵村のフィリピン花嫁を題材に新たなドキュメンタリー映画づくりを模索していた。スタッフを一から育てることを目指していた小川は、撮影の腕試しを兼ね肘折温泉の情景を撮影。いずれは本格的撮影に入るつもりだったが、病状回復の兆しなく実現しなかった。小川の死後、アテネ・フランセ文化センターを会場にした「小川紳介とお別れする会」で上映するために、土本典昭が最終的に手を加えて完成したラッシュの粗繋ぎフィルム。このフィルムは“作品”として完成したものでないことをお断りしておく。


雪国
Snow Country
(“Yukiguni”)

日本/1939/日本語/モノクロ/16mm/38分
監督:石本統吉 撮影:橋本竜雄、井上莞、竜神孝正、黒瀬進、成田勉
進行:小山良夫 監修:日本雪氷協会、日本民芸協会 製作:大村英之助
製作会社:芸術映画社 提供:新庄市雪の里情報館

ポール・ローサの著作『ドキュメンタリィ映画』に影響を受けた大村英之助、石本統吉らの芸術映画社には、プロキノから井上莞をはじめ有能な作家が集結していた。小川紳介は、石本統吉から『雪国』の話をよく聞いたという。積雪地帯である山形県新庄に足かけ3年の長期撮影を敢行。雪と闘う農民の生活を描いた本格的な自主制作ドキュメンタリーだった。日本のドキュメンタリー映画の原点は、この映画にあると言っても過言ではない。

9.18(月/祝)12:30 @ポレポレ東中野

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主催◎シネマトリックス
共催◎山形国際ドキュメンタリー映画祭実行委員会、アテネ・フランセ文化センター、映画美学校、ポレポレ東中野
協力◎東京国立近代美術館フィルムセンター、大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)、東北芸術工科大学東北文化研究センター

フィルム提供:
アテネ・フランセ文化センター、アリイケシンジゲート+大きい木、岩波映像、映画「戦後在日五○年史」製作委員会、川口肇、共同映画社、シグロ、疾走プロダクション、自由工房、白石洋子、鈴木志郎康、瀬戸口未来、高嶺剛、W-TV OFFICE、陳凱欣、朝鮮総聯映画製作所、全州国際映画祭、テレビマンユニオン、直井里予、日本映画新社、朴壽南、ビデオアートセンター東京、プラネット映画資料図書館、北星、松川八洲雄、松本俊夫、もう一度福祉を考え直す会・磯田充子、ヤェール・パリッシュ、山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー