Dir. ラーヤ・マーティン
果ての島
The Island at the End of the World
No Pongso Do Tedted no Mondo
監督、脚本、撮影、製作:ラーヤ・マーティン
編集:アン・ニコメデス
音楽:フランシスコ・ホリオンド
提供:ラーヤ・マーティン
ラーヤ・マーティン
Raya Martin
1984年、マニラ生まれ。フィリピン国立大学ディリマン校で映画を学んだ後、地元テレビ局や新聞、ラジオ局、インターネットマガジンのライターやリサーチャーとして働く。ショートホラー『Bakasyon』は、2004年マカティ・シネマニラ国際映画祭でヤング・シネマ・イシュマエル・ベルナール賞を受賞。ベルリン国際映画祭のタレント・キャンパス2005に参加し、カンヌ国際映画祭シネフォンダシオン主催レジデンスの第11回セッションにも選ばれた。近作は初の長編作品『Indio Nacional』。
監督のことば
ヨーロッパ的な風景で知られるバタネス諸島はフィリピン最北端に位置し、その鋭くとがったバシー海峡に切り立つイトバヤット島は唯一の有人島である。ほぼ1年にわたって暴風雨が続き、毎年、夏の短い間、観光客をひきつける以外はあまり知られることのない島であり、極端な場合、地元の地図にも載っていないこともある。
都会に住む若い映像作家の私も多くの都会人と同様、皮肉にも島民や島の文化に対して時代遅れという印象を抱いている事実があるからこそ、イトバヤット島に魅力を感じる。その伝統や慣習ということ以上に、本島からは隔離されているような島のコミュニティを理解したいという思いが、本質を探し求める私をつき動かす。島や島の人々の表層は、新しい物語も昔ながらの物語も語っているのだ。
この『果ての島』を通して、一見異なって見えるフィリピン人と地球市民はひとつであり同じだということを共有できればと思う。
シノプシス
頻繁な台風上陸の影響で、1年の内に短期間しか島を訪れることができないフィリピン最北の島、イトバヤット島に小型飛行機からカメラ片手にシティボーイが降り立つ。おばあさんの皺皺、ラジオを囲むおじさんたちの視線、畑を耕す若者たちの猫背、明け方の海岸でさばかれる魚の鱗、カメラの先にある空、土、波。自由に時間が流れる島の呼吸に身を浸し、自身を島に投影するように、悠々と素朴な島人たちに緩くカメラが這う。
9.23(土/祝)12:30 @ポレポレ東中野