Dir. 直井里予
昨日 今日 そして明日へ…
Yesterday Today Tomorrow
(“Kino kyo soshite ashita e...”)
監督、撮影、編集、製作:直井里予
製作会社:アジアプレス・インターナショナル
提供:直井里予
直井里予
Naoi Riyo
1970年、茨城県生まれ。アジアプレス・インターナショナル所属。1999年からタイ在住。2001年から2004年にかけて初の長編ドキュメンタリーである本作を製作。2005年1月に英語版を完成、バンコク国際映画祭2005に出品。帰国後、日本語版を5月に完成。現在、日本、タイ国内での自主上映会開催準備中。
監督のことば
タイ北部に位置するパヤオ県。丘陵に囲まれた自然豊かな農村で、多くの生命と寄り添いあいながら生活するHIV陽性の2家族。さまざまな悩みや“生の不安”を抱えながらも、心穏やかにささやかな日常生活を一日一日丁寧に過ごしていた。朝の市場での買い物、散歩、近所の人たちとの会話、家族との食事や会話、仕事、仕事の後の水浴び……。そんなささやかな日常が実は人間の生を支えていることに、製作過程で気づかされた。
この作品は、体をぶつけあいながら、サッカーに熱中する村の高校生とHIV陽性者たちの“生の輝き”との出会いと、彼らとの3年間にわたる対話から生まれた作品です。2家族の日常生活を通して、彼らの抱いている思い、喜びや哀しみ、そして人間の生死の有り様を描きました。
シノプシス
タイ北部の村でHIVに感染しながらも、前を向き地に足つけて日々生きる2家族。前夫からHIVに感染していたアンナは、魚売りや農業をしながら再婚した夫と穏やかに毎日を過ごす。隣郡に住む小学1年生のボーイは、体調を崩し休学し、その後復学するも、エイズ発症で入院し痩せ細っていく。自然豊かな風景のなかでゆったりと流れる時間に生命の哀しみがじんわりと拡がる。日本人監督がタイに住みながら生への希望とやがて来たる死を見つめ続けた3年間。