ジャスティス
Justice
オランダ、ブラジル/2004/ポルトガル語/カラー/35mm/100分
Dir. マリア・ラモス
リオ・デ・ジャネイロの刑務所や裁判所の内部に向けられた視点は、そこに関わる人や関わらざるを得ない人々の日常を行き来しながら、 “正義(ジャスティス)”の周辺を描き出す。それは、権力構造と階級観の不公平を有するブラジル社会の縮図でもあり、その現実の複雑さと矛盾に対して、カメラはひたすら目を凝らす。

ジャスティス
Justice
Justiça

オランダ、ブラジル/2004/ポルトガル語/カラー/35mm(1:1.66)/100分
監督、脚本:マリア・アウグスタ・ラモス
撮影:フラーヴィオ・ザングランジー
編集:ヴィリーニア・フローレス、
マリア・アウグスタ・ラモス、ジョアナ・コリエル
録音:ヴァレリーア・フェッフォ
製作:ニック・コッペン、ヤン・デ・ライテル、
レネー・ヴァンデル・フリンテン
製作会社、配給:セルフメード・フィルムズ

マリア・アウグスタ・ラモス
Maria Augusta Ramos

1964年、ブラジリア生まれ。ブラジリア大学を卒業後(音楽、ピアノ、現代音楽で学位を取得)ヨーロッパに移り住み、パリのINA / GRM(フランス・国立視聴覚研究所・音楽研究グループ)で音楽理論と電気音響音楽を学び、続いてロンドンのシティー大学に留学。1990年にオランダに渡り、オランダ映画テレビアカデミーに入学し、ドキュメンタリー映画監督を専攻する。初の長編ドキュメンタリー『Brasília—A Day in February』(1995)は「It's All True」サンパウロ国際ドキュメンタリー映画祭で審査員特別賞を受賞した。主な作品としてYIDFF ユ95アジア百花繚乱で上映された『私の言いたいことは…』(1993)、『Butterflies in Your Stomach』(1998)。『Desi』(2000)は、2000年アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭で観客賞、2001年オランダ映画祭で最優秀ドキュメンタリー部門ゴールデン・カーフ賞を受賞した。本作は、ニヨンのヴィジョン・デュ・レールでグランプリ、ボルドー国際女性映画祭で金の波賞、コペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画祭でアムネスティ特別賞、そして2004年台湾国際ドキュメンタリー祭で大賞などを受賞している。

監督のことば
ドキュメンタリーのリサーチのために、リオ・デ・ジャネイロの刑事裁判所でいくつかの審問を傍聴したが、法廷内で目にした悲劇と個々のドラマに、私は驚き、胸を打たれ、そしてかりたてられるものを感じた。ある意味、裁判所は権力構造と階級間の不公平を有するブラジル社会の縮図でもある。『ジャスティス』はブラジルの現実、その複雑さと矛盾を理解しようとする試みである。主要な登場人物は全編を通じて常に私のインスピレーションの源泉となってくれた。
この作品に対する彼らの信頼と献身、そして惜しみない協力に深く感謝している。

シノプシス
リオ・デ・ジャネイロの裁判所や刑務所の内部に向けられた視線は、そこに関わる人や関わらざるを得ない人々の日常を行き来しながら、“正義(ジャスティス)”の周辺を描き出す。裁く者と裁かれる側の厳然たる経済的格差や家庭環境の違い、過密を極める刑務所の深部の空気、犯罪者とされる人とその家族たちの苦悩など、カメラは正義の名の下に“裁くということ”がもたらす有り様にひたすら目を凝らす。

9.21(木)14:35 @ポレポレ東中野
9.24(日)12:30 @ポレポレ東中野
10.12(木)14:20 @アテネフランセ文化センター

製作・配給会社セルフメード・フィルムズ »

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主催◎シネマトリックス
共催◎山形国際ドキュメンタリー映画祭実行委員会、アテネ・フランセ文化センター、映画美学校、ポレポレ東中野
協力◎東京国立近代美術館フィルムセンター、大阪府立女性総合センター(ドーンセンター)、東北芸術工科大学東北文化研究センター

フィルム提供:
アテネ・フランセ文化センター、アリイケシンジゲート+大きい木、岩波映像、映画「戦後在日五○年史」製作委員会、川口肇、共同映画社、シグロ、疾走プロダクション、自由工房、白石洋子、鈴木志郎康、瀬戸口未来、高嶺剛、W-TV OFFICE、陳凱欣、朝鮮総聯映画製作所、全州国際映画祭、テレビマンユニオン、直井里予、日本映画新社、朴壽南、ビデオアートセンター東京、プラネット映画資料図書館、北星、松川八洲雄、松本俊夫、もう一度福祉を考え直す会・磯田充子、ヤェール・パリッシュ、山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー