Dir. マリア・ラモス
ジャスティス
Justice
Justiça
監督、脚本:マリア・アウグスタ・ラモス
撮影:フラーヴィオ・ザングランジー
編集:ヴィリーニア・フローレス、
マリア・アウグスタ・ラモス、ジョアナ・コリエル
録音:ヴァレリーア・フェッフォ
製作:ニック・コッペン、ヤン・デ・ライテル、
レネー・ヴァンデル・フリンテン
製作会社、配給:セルフメード・フィルムズ
マリア・アウグスタ・ラモス
Maria Augusta Ramos
1964年、ブラジリア生まれ。ブラジリア大学を卒業後(音楽、ピアノ、現代音楽で学位を取得)ヨーロッパに移り住み、パリのINA / GRM(フランス・国立視聴覚研究所・音楽研究グループ)で音楽理論と電気音響音楽を学び、続いてロンドンのシティー大学に留学。1990年にオランダに渡り、オランダ映画テレビアカデミーに入学し、ドキュメンタリー映画監督を専攻する。初の長編ドキュメンタリー『Brasília—A Day in February』(1995)は「It's All True」サンパウロ国際ドキュメンタリー映画祭で審査員特別賞を受賞した。主な作品としてYIDFF ユ95アジア百花繚乱で上映された『私の言いたいことは…』(1993)、『Butterflies in Your Stomach』(1998)。『Desi』(2000)は、2000年アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭で観客賞、2001年オランダ映画祭で最優秀ドキュメンタリー部門ゴールデン・カーフ賞を受賞した。本作は、ニヨンのヴィジョン・デュ・レールでグランプリ、ボルドー国際女性映画祭で金の波賞、コペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画祭でアムネスティ特別賞、そして2004年台湾国際ドキュメンタリー祭で大賞などを受賞している。
監督のことば
ドキュメンタリーのリサーチのために、リオ・デ・ジャネイロの刑事裁判所でいくつかの審問を傍聴したが、法廷内で目にした悲劇と個々のドラマに、私は驚き、胸を打たれ、そしてかりたてられるものを感じた。ある意味、裁判所は権力構造と階級間の不公平を有するブラジル社会の縮図でもある。『ジャスティス』はブラジルの現実、その複雑さと矛盾を理解しようとする試みである。主要な登場人物は全編を通じて常に私のインスピレーションの源泉となってくれた。
この作品に対する彼らの信頼と献身、そして惜しみない協力に深く感謝している。
シノプシス
リオ・デ・ジャネイロの裁判所や刑務所の内部に向けられた視線は、そこに関わる人や関わらざるを得ない人々の日常を行き来しながら、“正義(ジャスティス)”の周辺を描き出す。裁く者と裁かれる側の厳然たる経済的格差や家庭環境の違い、過密を極める刑務所の深部の空気、犯罪者とされる人とその家族たちの苦悩など、カメラは正義の名の下に“裁くということ”がもたらす有り様にひたすら目を凝らす。